ニューヨーク近代美術館で見ることができる名画を紹介

ニューヨーク近代美術館で見ることができる名画を紹介

 

 

ニューヨーク近代美術館(The Museum of Modern Art, New York)は、アメリカ合衆国ニューヨーク市にある、近現代美術専門の美術館です。

 

マンハッタンのミッドタウン53丁目に位置し、1920年代から「ザ・モダン」と呼ばれたモダンアートの殿堂として知られています。英文館名の頭文字をとって「MoMA(モマ)」と呼ばれて親しまれています。

 

20世紀以降の現代美術の発展と普及に多大な貢献をしてきたこの美術館は、建築、商品デザイン、ポスター、写真、映画など、美術館の収蔵芸術とはみなされていなかった新しい時代の表現までをも収蔵品に加え、常設・企画展示・上映などを行うことで、世界のグラフィックデザインの研究の中心としての地位を確立しています。

 

 

ゴッホ「星月夜」

作品名 星月夜
作者 フィンセント・ファン・ゴッホ
制作年代 1889年
寸法 73.7 × 92.1 cm

 

ゴッホが南仏の精神病院に入院していた時に描いた作品。

 

夜空には渦巻く雲と輝く月と星が描かれており、その下には炎のように揺らめく糸杉や村の風景が見える。

 

ゴッホはこの絵を描く前年に自らの耳を切り落とすという事件を起こし、精神的な苦悩に陥っていた。

 

この絵は、そのような彼の内面の動揺と不安を表現したものと言えるだろう。

 

ゴッホは絵画の伝統的なルールにとらわれず、自分の感情を色や形で自由に表現しました。

 

この絵は、後世の芸術家たちに多大な影響を与えることになった。

 

シャガール「私と村」

作品名 私と村
作者 マルク・シャガール
制作年代 1911年
寸法 192.1×151.4cm

 

シャガールはロシア生まれの画家であるが、パリで活躍した。

 

この絵は、彼がパリで暮らしながらも故郷の村を懐かしんで描いたものである。

 

画面には、農業や牧畜など村の暮らしを象徴する人や動物が登場する。

 

しかし、それらは現実的にではなく、夢や幻想の中で見るように不思議な形や色で表現されている。

 

シャガールは自分の個性や感性を大切にし、当時流行していたキュビスムや抽象画などの影響を受けつつも、独自のスタイルを確立した。

 

ピカソ「アヴィニョンの娘たち」

 

作品名 アヴィニョンの娘たち
作者 パブロ・ピカソ
制作年代 1907年
寸法 243.9×233.7cm

 

ピカソがキュビスムという新しい画法を確立するきっかけとなった作品である。

 

キュビスムとは、対象物を幾何学的な形に分解して表現する画法である。

 

この絵では、売春宿にいる女性たちが描かれているが、その顔や身体は正面や横から見た姿が同時に表されており、現実とは異なる視点から見せている。

 

右上の女性の呪術の面のような顔は、アフリカ彫刻の影響。

 

テーブルに置かれた果物は、官能的な歓びを象徴している。

 

ピカソはこの絵で絵画の歴史に革命を起こした。

 

アンリ・ルソー 「夢」

 

作品名
作者 アンリ・ルソー
制作年代 1910年
寸法 204,5 × 298,5 cm

 

ルソーは素人画家として始めたが、独学で独特の画風を作り上げた。

 

この絵は彼が亡くなる前年に描いた最後の大作である。

 

画面には裸婦が横たわり、その周りに熱帯雨林のような植物や動物が溢れている。

 

しかし、ルソーは一度も熱帯地方に行ったことがなく、博物館や雑誌などから情報を得て描いたものである。

 

彼は自分の想像力や夢を豊かに表現し、見る者を不思議な世界へと誘った。

 

ロートレック「ムーラン・ルージュに入るラ・グリュ」

 

作品名 ムーラン・ルージュに入るラ・グリュ
作者 アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック
制作年代 1891~92年
寸法 79.4×59cm

 

ロートレックはパリのモンマルトル地区で活躍した画家である。

 

彼はキャバレーやダンスホールなどの夜の世界を題材にした作品を多く描いた。

 

この絵は、ムーラン・ルージュというキャバレーのポスターとして描かれたものである。

 

ラ・グリュという女性は当時の有名なダンサーで、ロートレックは彼女の魅力や高慢さを巧みに捉えている。

 

ロートレックは自分の肉体的な障害によって苦しんだが、絵画を通して夜の世界の華やかさや悲哀を表現した。