オランジュリー美術館(Musee de l’Orangerie)は、フランスのパリにある印象派とポスト印象派の美術館です。この美術館は、パリ1区のテュイルリー公園内に位置しています。
元々は17世紀から19世紀までテュイルリー宮殿にあった温室(オランジュリー)で、冬の間オレンジの木を寒さから守るために使われていました。
美術館の最大の見どころは、クロード・モネの《睡蓮》です。この作品はモネが晩年に描いたもので、自然光が差し込む部屋に展示されています。また、他にも19世紀末から20世紀初頭にかけての作品が展示されており、モネやルノワールなどの印象派の作品をはじめ、ピカソやマティス、ゴーギャンなどの近代的作品を鑑賞できます。
作品名 | 「睡蓮」大装飾画 |
作者 | クロード・モネ |
制作年代 | - |
寸法 | - |
クロード・モネの「睡蓮」は、フランスのジヴェルニーにある彼の自宅の庭(現在はモネ財団)を描いた約250枚の油彩絵画なるシリーズ作品です。この作品は、モネの晩年までの30年間に制作され、彼の後期作品の代表でもあります。
「睡蓮」は、モネが日本文化に非常に傾倒していて、膨大な数の浮世絵をコレクションし、自宅の屋敷に日本風庭園までつくっていました。この日本風庭園に浮かぶ睡蓮が、晩年のモネのモチーフとなり、睡蓮の連作に没頭させました。
オランジュリー美術館に展示されている「大装飾画」は、モネが最晩年に制作した最大17mにも及ぶ大作です。これらの作品は22枚のパネルで構成される8点の作品で、すべてつなげると91mという長さになります。
特に注目すべきは、モネが「光」を上手く表現し制作されています。彼は同じ場所で同じ作品を、時間や季節を変えて制作していました。そのため、モネは「光の画家」と呼ばれることもあります。
また、「睡蓮」は知れば知るほど奥が深い作品です。モネの作品は「色彩=光」の実現が可能だと証明し、20世紀後半の美術界に影響を与えました。
作品名 | ピアノを弾く少女 |
作者 | ピエール=オーギュスト・ルノワール |
制作年代 | 1892年頃 |
寸法 | 116 ×81 cm |
この作品は、ピアノの前で二人の少女が一緒に楽譜を眺めている様子を描いています。何気ない穏やかな日常を切り取ったようなこの絵には、見ていてほっとするような温かみを感じます。この温かみのある独特な画風はルノワールの晩年の絵画の特徴でもあります。
ルノワールは1891年末から、『ピアノを弾く少女たち』をほぼ同じサイズで5枚(または6枚)描きました。
オランジュリー美術館所蔵の本作は、ルノワールが晩年まで大切にアトリエで保管していたものです。
作品名 | ポール・ギヨームの肖像 |
作者 | アメデオ・モディリアーニ |
制作年代 | 1915年 |
寸法 | 10.5 × 7.5cm |
アメデオ・モディリアーニの『ポール・ギヨームの肖像』は、1915年に制作された作品です。
この作品は、当時パリでも著名な画商だったポール・ギヨームを描いたものです。モディリアーニは彼や友人のマックス・ジャコブの勧めもあって、絵画に専念するようになりました。
モディリアーニは、引き伸ばされた顔や身体が特徴のモダニズム形式のポートレイトで知られています。彼の作品は一般的に表現主義か独自のスタイルとみなされています。