ロンドン・ナショナルギャラリー(National Gallery)は、イギリスのロンドンにある美術館です。
1824年に設立され、13世紀半ばから1900年までの作品2,300点以上を所蔵しています。?
ロンドン・ナショナルギャラリーは、英国初の国立美術館であり、ロンドンで最も人気な観光スポットのひとつです。
ヨーロッパ絵画の名作が2,300点以上収蔵されており、年間500万人が訪れる世界的にも名高い美術館です。?
ロンドン・ナショナルギャラリーは、トラファルガー広場に面して建っており、入館料は無料です。
2時間強で一通り見て回れるという、ちょうど良い規模の美術館でもあります。
作品名 | アルノルフィニ夫妻 |
作者 | ヤン・ファン・エイク |
制作年代 | 1434年 |
寸法 | 82.2 × 60 cm |
「まるで息づいているかのようだ。これは人間の手による絵なのだろうか!」 15世紀 フランドル(現在のベルギーにあたる地域)に現れた画家 ヤン・ファン・エイクの作品に目を向けた者は、ほとんど例外なく驚嘆の声 を上げた。
中世の教会の祭壇に飾られた、色彩も乏しく、動きのない宗教画に慣れ親しんだ目には、画家の作品は斬新なもの以外の何物でもなかった。
ヤン・ファン・エイクは、中世後期ゴシック美術に始まった写実主義を推し進め、油絵の具を巧みに使うことで、フランドル絵画 の全盛期を築き上げた画家である。
この「神の手を持つ画家」が活躍したフランドル地方は、当時、イギリスから 輸入した羊毛の加工と貿易で、かつてないほどの繁栄を味わっているヨーロッパ経済の中心地であった。
アントワープ(アントウェルペン)、ブリュージュ(ブルージュ)、ブリュッセルなどの都市にはブルゴーニュ 公国の宮殿が建てられ、各国の外交官、国際商人 芸術家が出入りし、華やかな宮廷文化が花開いた。 そこには市民社会が形成されていた。
新婚旅行中のイタリア商人夫妻を描いたヤン・ファ エイクの「アルノルフィニ夫妻』は、そうした文化的発展の産物として生 まれた傑作である。
シャンデリアや鏡に映る素晴らしい光 新婦の緑色の衣装と ベッドとの鮮やかな対比。 窓や壁や床に表れる自然そのものの素材感、ぼかし 用いられた立体感...... 「顕微鏡的」とも呼ばれるヤン・ファン・エー の鋭敏な観察力が際立つこの絵では、画家は油彩画の技法を見事に駆使した。
この名画は、絵画史上初めてと言っても過言ではない二人の肖像画としても、後世 に影響 を与える。巨匠ヤン・ファン・エイクは、イタリア盛期ルネサンスに先立 ち約100年も前に、北方ルネサンスの幕開けを果たしたのである。
作品名 | 岩窟の聖母 |
作者 | レオナルド・ダ・ヴィンチ |
制作年代 | 1508年頃 |
寸法 | 189.5 × 120 cm |
創世記を連想させる風景描写は、万能の天才と称されたレオナルドの自然に対する深い関心の現れで、それは また、万物を生み出した神の存在をほのめかす。
聖母の表情は、「モナ・リザ」の微笑みを思い起こさせる。
作品名 | ヴァージナルの前に立つ婦人 |
作者 | ヨハネス・フェルメール |
制作年代 | 1670年 - 1672年頃 |
寸法 | 51.7×45.2cm |
市民の日常の一コマを、詩的なタッチで描いたフェルメール。
絵の中に描かれたキューピッドが持つカードは「貞潔」を意味し、恋人を待ちわびる女性の幸せなひとときが、画家独自の穏やかな光の中に表現されています。
女性が弾いているのは小型のハープシコードの一種、 ヴァージナル。
作品名 | ベルシャザルの饗宴 |
作者 | レンブラント・ファン・レイン |
制作年代 | 1635~38年頃 |
寸法 | 168 × 209 cm |
画面中央に立つのは、バビロニアの王ベルシャザル。 エルサレムの神殿から奪い取った金銀の器で酒宴を催していた王は、 空中に現れた指が壁に書き込んだ文字を見て恐怖におびえる。
そこには王の死が予言され、 その夜予言は現実となる。
レンブラントは 「旧約聖書」の1エピソードを、強烈な明暗の対比を使って劇的に描いた。
作品名 | 大使たち |
作者 | ハンス・ホルバイン |
制作年代 | 1533年 |
寸法 | 207 × 209.5 cm |
堂々と立つ二人の男は、フランス国王から英国王ヘンリー8世へと派遣さ れた大使たち。
彼らの教養を示す品々の中には死を象徴する弦が切れたリュートや、 プロテスタントの指導者ルターの賛美歌集などが細やかに描かれている。
前景にある歪んだものは、絵の端から見ると頭蓋骨になり、 「心して死を思え」という宗教的教えを示している。