アントワープ王立美術館は、ベルギーのアントワープにある美術館です。
この美術館は、15世紀から現代までの芸術作品を収蔵しており、フランドル派やルーベンス、ヤン・ファン・エイク、ヒエロニムス・ボスなどの作品が展示されています。また、美術館には、19世紀から20世紀にかけてのベルギーの芸術家たちの作品も展示されています。
アントワープ王立美術館は、その膨大なコレクションと高い芸術性で知られており、世界中から多くの観光客が訪れます。
作品名 | 東方三博士の礼拝 |
作者 | ピーテル・パウル・ルーベンス |
制作年代 | 1624年-1625年 |
寸法 | 447 cm × 336 cm |
聖書に登場する東方の三博士が、誕生したばかりのイエスに会いに来る一場面です。 このテーマは異国の風情の表現と共に、 対抗宗教改革期にカトリック教会の威厳を示すものとして、 主祭壇画でよく描かれました。
この作品も、 アントワープの聖ミカエル修道院教会の主祭壇画として作られました。 聖母子に跪いて敬意を表す博士や、中央のターバン姿の男の後ろには、ラクダが描かれています。 ラクダは異国風味だけでなく、 「ラクダの群れが御身のもとにやって来る」 という聖書の言葉を表しています。
鮮やかな色彩 動きのある構図に、 バロックの巨匠ルーベンレスの才能が示されている作品です。
作品名 | 七つの秘蹟の祭壇画 |
作者 | ロヒール・ファン・デル・ウェイデン |
制作年代 | 1400-1445年 |
寸法 | 200 cm × 223 cm |
ウェイデンは感情豊かな描写で、 フランドルの画家として鮮やかなドラマを生み出しました。
ゴシック様式の大聖堂の空間に配された各パネルには、 キリスト教における七つの主要な儀式である 「七つの秘蹟」 に関する銘文を持つ天使が現れています。
画面内の銘文から分かるように、 左翼では「洗礼」 「堅信」 「回心」 が 中央では 「聖餐」 が、 右翼では「終油」 「婚姻」 「叙階」 の秘蹟がそれぞれ描かれている。
中央の前景では、キリスト の十字架が目立って描かれ、 聖母マリアやマグダラのマリア などが、 悲しみを表情に出しています。
画中の一部の人物は、 実在の人物を元に、 最初は錫でできた細い片に描かれ、後から画面に貼り付けられています。
作品名 | ローマのメダルを持つ男性の肖像 |
作者 | ハンス・メムリンク |
制作年代 | 1474年頃 |
寸法 | 30 cm × 22 cm |
『ローマのメダルを持つ男性の肖像』は、初期フランドル派の画家ハンス・メムリンクによって制作された油彩画であり、アントワープ王立美術館に所蔵されています。
この作品は、4分の3正面向きの黒髪の男性をフランドル美術に典型的な細部描写をもって表しています。
男性は黒いコートを身に着け、黒い帽子を被っており、左手にローマ皇帝ネロのセステルティウス(古代ローマの硬貨の一種)を持っています。彼が持つセステルティウスは、人文主義への関心の象徴であるとされています。
本作品は、肖像画の形式でありながら、男性が持つセステルティウスや背景に描かれた風景など、細部にわたる描写が特徴的です。また、本作品は、当時としては珍しい自然風景を背景にした肖像画であることも注目されます。