ブダペスト国立西洋美術館は、ハンガリーの首都ブダペストの英雄広場に位置しています。
この美術館は、古代エジプト美術、アンティーク、13世紀から18世紀の西洋絵画、彫刻、19世紀以降の絵画等を所蔵しています。
作品名 | ゲッセマネの園 |
作者 | エル・グレコ |
制作年代 | 1610年 ー 1612年 |
寸法 | 170 cm × 112.5 cm |
最後の晩餐の後、キリストはオリーブ山にペテロら3人の弟子とともに籠り、祈り続けます。
一方、弟子たちは眠気に負けてしまい、キリストはその弱さを責めました。
エル・グレコは、その独特な色彩感覚と形式感覚で知られる画家で、彼の作品はしばしば神秘的な雰囲気を持っています。
この作品では、明るさと暗さの対比、人物の独特な比率が緊迫感を高めています。
作品名 | 若い男の肖像 |
作者 | ラファエロ・サンツィオ |
制作年代 | 1503年-1504年 |
寸法 | 54 cm × 39 cm |
この作品は、赤い帽子を被り衣服をまとった長髪の男性が四分の三正面像で描かれています。
男性は穏やかな表情で微笑みながら鑑賞者の側を見つめています。
欄干の上に両手を置いていますが、右手に紙片のようなものを握っています。男性の左腕の肘は欄干で隠れて見えません。
背後には湖と水辺に通じる道のある穏やかな風景が広がり、その多くを青空が占めています。
この作品は、ラファエロが師であるペルジーノの影響を受けた初期の作品であり、その影響は明らかです。
特にウフィツィ美術館のペルジーノの『フランチェスコ・デッレ・オペレの肖像』を参照していることが指摘されています。
描かれた人物については諸説あります。一部ではヴェネツィア出身の詩人で人文主義者のピエトロ・ベンボとする説がよく知られていますが、確証はありません。
作品名 | 洗礼者聖ヨハネの説教 |
作者 | ピーテル・ブリューゲル |
制作年代 | 1566年 |
寸法 | 95 cm × 160.5 cm |
ピーテル・ブリューゲルが制作した『洗礼者聖ヨハネの説教』は、新約聖書中の「マタイによる福音書」(3:4-17)に述べられている洗礼者聖ヨハネによる荒野での説教を描いた作品です。
この絵画は、ブリューゲルが初期フランドル派の巨匠として知られるようになった作品の一つで、1566年に制作されました。ブリューゲルは、風景と人々の生活を描くことで知られており、この作品でもその特徴が見られます。
『洗礼者聖ヨハネの説教』では、ブリューゲルは200人以上の群衆を描き出しています。彼らは森の一角に集まり、洗礼者聖ヨハネの説教を聞いています。群衆の中には、魂を奪われたように説教に聞き入る者、その言葉が理解できず口をぽかんと開けている者、睡魔に勝てない者、横を向いてロマに手相を占わせる者など、様々な反応が描かれています。
画面は2本の対角線で構成され、奥行き感が強調されています。前景の背を向けた人々の間から奥に進むと、毛皮の衣装をまとった聖ヨハネと、その右側で聞き入るキリストの姿が見えきます。
人物や風景の表現には、農民の画家と称されたブリューゲルの個性が存分に発揮されている作品です。