コペンハーゲン国立美術館(Statens Museum for Kunst)は、デンマークの首都コペンハーゲンに位置しています。
美術館は、デンマークと外国の芸術を14世紀から現代まで収集、登録、維持、研究し、取り扱っています。
美術館は1896年に開館し、デンマーク王室のコレクションをもとにしています。
赤褐色のレンガを用いた重厚なネオルネッサンス建築の建物は、デンマークの建築家ウィルヘルム・ダーララップの設計によるもので、1998年に大幅な拡張工事を終えてリニューアル・オープンしました。
作品名 | エルサレムの金門でのヨアキムとアンナの出会い |
作者 | フィリッピーノ・リッピ |
制作年代 | 1497年 |
寸法 | 112.5×124cm |
子供ができないことに悩んでいた聖母マリアの両親、ヨアキムとアンナに、天使が現れて神のお告げを伝えています。
妻が身ごもる子は、救い主の母として選ばれているというのだ。
アンナも同じことを聞き、二人が金門で出会った時にマリアを授かったとされます。
この聖母マリアの誕生の物語を、師匠のボッティチェリに影響された優美なタッチで描いたのがリッピです。
作品名 | 贖い主としてのキリスト |
作者 | アンドレア・マンテーニャ |
制作年代 | 1488 - 1500年頃 |
寸法 | 78 cm × 48 cm |
『贖い主としてのキリスト』は、初期イタリア・ルネサンスの巨匠アンドレア・マンテーニャが1488-1500年ごろに制作した絵画で、主題は部分的に『新約聖書』の「ルカによる福音書」から採られています。
絵画は大理石の基部に署名されており、伝統的なピエタの主題であるが、画家はそれを独自なものとしています。磔刑のすべての傷跡を示すために両手を開いているキリストは、精緻な彫刻を施された古代ローマの石棺の上に引き上げられています。この石棺の描写には、マンテーニャの古代世界への関心がうかがわれます。
キリストの身体は金属的な白い布に包まれ、2人の跪いている天使たち(熾天使と智天使)に支えられています。キリストの両腕と2天使が形作るX字型は、キリストのギリシア語綴りの最初の文字「X」にちなんでいます。キリストには、十字架上での苦悩、そして死と復活のイメージが重ねられています。
左側には石棺の蓋が見え、背景は日没の光の中にある、シオンの丘を含む遠くまで続く風景となっています。右側にはゴルゴタの丘と、2人の男が石板、柱、彫像を扱っている石切り場があります1。もう2人の労働者が内部の光に照らされた洞窟の中に見えます。
最後に、左側の岩山の尾根には、羊飼いたちと牛の群れがいる草原と、壁に囲まれたエルサレムがあります。2人の敬虔な女性がキリストの墓に到達しようと小道を走ってやってきています。この描写は、「ルカによる福音書」(24:1)にある「週の初めの日、夜明け前に、女たちは用意しておいた香料を携えて、墓に行った」に基づいています。
しかし、キリストと天使たちは、「ルカによる福音書」24章では言及されていません。したがって、本作品は前景と後景で2つの図像を融合させています。後景は福音書記述に従った図像であり、前景はキリスト受難をクローズアップした個人祈祷用図像です。
作品名 | メランコリー |
作者 | ルーカス・クラナッハ |
制作年代 | 1532年 |
寸法 | 51 cm × 97 cm |
「四性論」は、人間の性格を体液のバランスによって四つのタイプに分類する理論で、西洋の思想に大きな影響を与えました。
メランコリー(憂鬱質)は、黒胆汁が優勢な人のタイプで、中世では不活発で怠惰な人と見なされていたが、ルネサンス期には、思考や創造に適した人として評価されるようになった。
しかし、この絵画ではクラナッハは、無駄な努力をする子供や魔女などを描いて、メランコリーを否定的に表現している。
この解釈には、メランコリーを罪の源と考えた、画家の友人である宗教改革者ルターの思想が反映されています。